東京會舘とわたし(上・下) 辻村深月/著

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第1章「クライスラーの演奏会」を読み始めたときは今までとはちょっと作風が違って読みづらいなと思ってしばらく寝かせてしまいました。
でも2章、3章と読むにつれて前の章のエピソードがちらちらと出てきたり、作中に描かれている東京會舘で働く人物たちが活き活きと誇りをもって働いている姿が、今の職場で働くことに若干の嫌気を覚えていた私にはとても眩しく感じて、気づけば夢中で下巻まで読んでいました。
恥ずかしいのが、第5章「しあわせな味の記憶」のクッキーの缶の話で「TOKYO KAIKAN」と出てくるまで、東京會舘を「とうきょうそうかん」と読んでいたこと。
第9章「煉瓦の壁を背に」では、何箇所か「図書室で暮らしたい」で読んだことあるなという場面があってその都度ちょっと面白くなってしまいました。

作品を読んでいるととにかく東京會舘という場所に一度は行ってみたいと思えます。
今は「新新舘」への建て替え中とのことなので、すぐには叶わないみたいですが。